インフラストラクチャーソリューション

グループインフラ SASE導入プロジェクト

電気・ガス・水道といったインフラが止まれば、私たちの生活は成り立ちません。
同様に、パソコンやサーバー、ネットワーク、セキュリティといったITインフラも現代社会において欠かせない存在です。
EPSグループでは、企業の統廃合やM&Aなどによる急速な成長により、ネットワークの統合が追いつかず、業務に支障をきたすケースも見られるようになりました。
そこで、グループ全体のITインフラを統合することを目的に、SASE(サシー)と呼ばれるクラウドベースのセキュリティサービスを導入するプロジェクトが始動しました。

プロジェクトメンバー

I.O. 写真

I.O.さん[プロジェクトマネージャー]

基盤システムサービスセンター
基盤システム部 基盤システム第5グループ
グループマネージャー

S.Y. 写真

S.Y.さん[セキュリティアドバイザー]

基盤システムサービスセンター
グループセキュリティ支援室 室長

Y.N. 写真

Y.N.さん[プロジェクトメンバー]

基盤システムサービスセンター
基盤システム部 基盤システム第1グループ

所属部門、役職は取材当時の表記です。

プロジェクトの目的

本プロジェクトの目的は、EPSグループ全体のITインフラを統合し、ネットワーク環境を最適化することです。
会社ごとのアクセス範囲を明確にしながらセキュリティを確保し、各社が必要なリソースへスムーズにアクセスできる仕組みを構築します。
SASEはネットワークとセキュリティ機能を兼ね備えたソリューションであり、グループの成長に伴う企業の統廃合や組織再編にも柔軟に対応できる点を評価し導入を決定しました。
現在は、第1フェーズとして一部グループ会社への導入が完了しています。
今後も残りのグループ会社への展開を進め、グループ全体における最適なネットワーク環境の実現を目指します。

解決すべき課題

EPSグループでは、成長に伴うIT環境の変化により、ネットワーク運用の煩雑さやコストの増大に加え、サイバー攻撃への備えといったセキュリティ面での対応も急務となっていました。
一部のグループ会社では会社間で異なるネットワークを使用していたため、従業員がPCを2台使い分ける必要があるなど、業務効率にも影響が出ていました。
さらに、会社ごとのPC利用ルールや仕様の違いにより、必要なアプリケーションが使えない、VPNや別回線が必要になるといった複雑な対応も求められていました。

I.O. 写真

全体を俯瞰するには技術的な理解が重要

私は導入フェーズからプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトに参画しました。
今回のプロジェクトにおける私の役割は、リソースや進捗の管理、外部ベンダーとの契約調整など多岐にわたります。
設計業務にも一部関わり、関係者同士の認識の齟齬を防ぐため設計担当者と密に連携しながら、技術的な内容も把握するよう努めました。

製品選定時には、要件整理が十分にできず、その後の選択肢が狭まってしまったという反省があります。
導入段階では、IP-VPN網からインターネット経由で社内システムにアクセスするという大きな構成変更に取り組む中で、関係者間の前提認識の違いから成果物に齟齬が生じてしまうことがありました。
これは、プロジェクトの目的やゴールを初期段階で十分に共有できていなかったことが原因だったと振り返っています。

プロジェクトマネージャーは設計や構築の主担当ではありませんが、依頼内容と成果物の整合性を確認するためには、技術的な理解が不可欠であるという気付きがありました。
設計担当とベンダーの間に立ち、双方の立場を理解しながら意図をしっかりとつなぐ役割を意識することや、全体を俯瞰した管理の重要性を改めて実感しました。

今回のプロジェクトでは、サーバー・ネットワーク・認証といった複数分野を横断的に理解する必要があり、自社環境の知識を改めて整理する機会となりました。
また、社内外の調整を通じ、自身の交渉力や調整力が向上した手ごたえも感じています。
落としどころを見極めながら追加費用を抑えてプロジェクトを進行できたことは、自信につながる成果でした。

プロジェクトマネージャーとして当社に加わる方には、技術的な知識と、プロジェクト全体を見渡す視点の両方が求められると私は考えています。
例えば、仕様策定や設計方針の妥当性を判断する場面では、一定の技術的理解が必要ですし、もちろん関係者との調整も欠かすことはできません。
技術と人の両面に関わりながらプロジェクトを推進していくことにやりがいを感じられる方に、ぜひご入社いただきたいと思います。


S.Y.写真

グループ全体を守るという使命感

私が所属するグループセキュリティ支援室は、EPSグループ全体の情報セキュリティの支援を担う専門部署です。
グループの成長に伴い、事業や組織の構造が日々変化する中、ますます高度化・巧妙化する情報セキュリティ上の脅威への対策を行うことが当部署の主なミッションです。
今回、私はグループの情報セキュリティの強化を目的としてプロジェクトに参画し、主に製品選定の段階に携わりました。

従来の境界型ネットワークは、運用管理が煩雑で対応に多くの工数がかかるという課題がありました。
そこで、企業の統廃合やM&Aなどでグループ企業が増えた際にも柔軟かつ効率的にネットワークを拡張できる製品を選定することが求められました。
結果として、セキュリティ面で高い堅牢性を備えた、グループにとって最適なソリューションを導入できたと感じています。

今回、本プロジェクトと並行してSOC、EDR、マルウェア対策製品などの選定も行いました。
特に、攻撃の兆候を早期に検知し、必要に応じて自動的に対処できる仕組みの導入により、セキュリティレベルを一段と高めることができました。
セキュリティ対策は常に進化が求められる分野であり、限られたリソースの中で優先順位を見極め、効果的な対策を講じることが重要だと考えています。

情報セキュリティ分野は日々進化しており、多くの製品やソリューションが存在します。
その中で、グループの事業特性を理解し、「当グループにとって最適なものは何か」ということを常に意識していました。
今回、当社ならではの課題を意識しながら製品の機能や特性を比較・検討する過程は、自身の知見を深め、貴重な学びを得る機会となりました。

グループセキュリティ支援室は、企業にとって重要な情報セキュリティ対策をEPSグループ全体の視野で推進する組織として設立されました。
そして何より、私自身が「セキュリティに関わる仕事がしたい」と言い続けてきたことが、設立の大きなきっかけとなりました。
このように、チャレンジ精神を高く評価してくれる会社だと感じていますし、この業務に携われている事に私自身とても感謝しています。
積極的な姿勢で業務に臨む方が多いのが当社の良いところだと思っていますので、ぜひチャレンジ精神旺盛な方の入社を期待しています。


Y.N. 写真

責任の重さが、成長のきっかけに

私は本プロジェクトに設計構築チームのメンバーとして参画し、主にネットワーク機器の構築を担当しました。
製品仕様や既存環境との整合性を踏まえ、課題の洗い出しや対応方針の提案を行うなど、チーム内では技術的な相談や調整の中心的な役割を担っていました。
影響範囲が大きく関係者が多いプロジェクトでしたので、他のチームとも積極的に連携し、全体最適を意識しながら業務を行っていました。

初めて扱う製品だったため、仕様の理解に苦戦しました。導入に伴い既存環境の変更箇所も多く、影響範囲の把握が不十分だったことで思わぬ不具合を引き起こしてしまったこともあります。
問題が発生した際には、多忙であろう先輩や上司が時間を割いて相談にのってくださり、とても助けられました。
自分ひとりで抱え込まずに頼れる環境があったことは、業務を進める上で大きな支えとなっていました。
各所に信頼できる方がいるという安心感があり、そうした温かいチームの雰囲気に何度も救われたと感じています。

大規模な案件に関わったことで、自分の業務が与える影響の大きさを実感しました。
特に、問題発生時の迅速な報告の重要性を学び、今では早めの対応を心がけています。
また、ネットワーク以外にもサーバーやクラウド、認証など多岐にわたる知識が求められたことで、他の技術領域を扱うメンバーとのやりとりを通じて横のつながりの大切さも実感しました。
今回の経験から、今後は幅広い分野の知識を身につけ、プロジェクトマネージャーとして様々な関係者と関わりながら全体を見渡せる立場を目指したいと思う気持ちが大きくなりました。

当社の魅力は、グループ全体のITインフラの改善について自分たちで考えて提案していけることや、早い段階から上流工程に携わる機会があることだと思います。
また、インフラ部門の配下に複数のグループ組織があり、グループごとに扱うサービスや技術、工程が異なるのですが、他のグループが担当するプロジェクトに挙手制で参画する機会もあり、グループを横断し広く経験を積むことも可能です。
新たな領域に挑戦するチャンスがたくさんありますので、成長意欲のある方にはやりがいのある環境だと思います。


最後に

ITインフラは正常に動いていて当たり前とされる領域であり、常に高い信頼性が求められます。
本プロジェクトで構築されたネットワーク環境は数千人規模の従業員が利用するもので、障害が発生すれば業務に多大な影響を及ぼします。
その先には医薬・医療の現場、そして患者の存在があることを考えると、EPSグループのITを支えることは、間接的ではあっても社会や医療への貢献につながっていると我々は考えており、強い責任感を持って業務に従事しています。

メンバー3人の写真

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