ビジネスソリューション

グループ会社向け基幹システム開発プロジェクト・インタビュー

売上や原価に関する会計データなどは、企業を経営していく上で非常に重要なものだ。しかしながら、あるグループ会社では、それらに関わる社内システムが分散していて、データの管理がうまくできていないという課題を抱えていた。
これは、社内システムからのデータ入手の一元化と標準化を図り、全社的な情報活用と組織マネジメントを強化することを目的としたプロジェクト。「アジャイル」と呼ばれる開発手法で進められたことが一番の特徴である。

プロジェクトメンバー

M.i 写真

M.I

ITソリューションセンター BS1部
グループ長

T.N 写真

T.N

ITソリューションセンター BS1部

T.S 写真

T.S

ITソリューションセンター BS1部
統括マネージャー

所属部門、役職は取材当時の表記です。

M.I 写真

お客様とともに考え、自ら提案する

このプロジェクトがはじまった時、顧客には解決すべき課題が多くありました。「構想からお客様と一体になり最も効果的な策を考え、提案をしていく工程からスタートしました」と、プロジェクトリーダーの役割を担ったM.Iは話す。システム企画や構想の段階、つまり超上流工程から開発に携われるのは、グループ会社の基幹システム開発を担当する、EPSデジタルシェアならではだ。「そして、“アジャイル”という開発手法を採用したことが一番の特徴です。アジャイルは、短い開発期間単位で、開発できたところまでをお客様に確認していただき、その都度、要件を挙げていただく手法。まだまだ、日本ではあまり浸透していない手法ですが、密なやりとりができるグループ会社間であったからこそ、できた手法だと思っています」とM.Iは続けた。実は、M.Iはかつてこの手法を経験したことがあった。「前回挑戦した時に自分自身が大きく成長できたということもあり、今回はメンバーのレベルアップを意識していました。これから中心になっていくであろうアジャイルを経験してもらうことで、主体性を身につけてほしいと考え、お客様との折衝はメンバーに任せることに。数カ月の開発期間ではありましたが、仕事の進め方をみて、随分と成長してくれたなと感じます」とM.Iは話す。EPSデジタルシェアは挑戦を歓迎する会社。新しい手法により顧客満足を実現しながらも、組織としての底上げにも起因した。

T.N 写真

熱量が伝わる距離の中で

もっとユーザーに近い位置で仕事がしたい。そう考えEPSデジタルシェアへ入社したT.N。メンバーに対する業務の分担を行いながら、自身も開発に携わるサブリーダーとして、このプロジェクトに参加した。「アジャイルという手法については知っていましたが、携わったのははじめてでした。新鮮だったのは、お客様とのやり取りがスピーディーだということ。こちらからのアクションに対するレスポンスの速さですね。そして、お客様と共に作り上げていくという実感。前職は、お客様先に常駐する形で仕事をしていましたが、その時ですら感じたことのない一体感でした」と話す。顧客と自社が同じ目的に向かって歩いていける。それが、アジャイルの特徴の一つ。しかしながら、難しい点もあったという。「2週間に1回の頻度でお客様に仕上げたシステムをご確認いただくことで、よりよく変えていけることがアジャイルの最大の強みなのですが、どこまでご対応すべきかを的確に判断できなければ、ゴールが見えなくなってしまいます。そのコントロールが特に難しいポイントだと感じました」と、T.Nは当時を振り返りながら話した。そこで学んだのは、顧客とのコミュニケーションの大切さだったという。「お客様の理想と自分の理想の中で、落とし所を決めるには、密にコミュニケーションを取るしかありません。このプロジェクトでは、その力が身についたと思います。こうした経験をさらに積み、将来的には開発チームと運用チームが一体となって開発を行うDevOps(デブオプス)と呼ばれる手法に挑戦していきたいですね」とT.Nは将来を見据えた。顧客とのコミュニケーションを深めることで、もう一歩踏み込んだ提案に期待がかかる。

T.S 写真

アジャイルのノウハウを社外へも

「このプロジェクトは、我々の部署の中でも1、2を争う規模となっており、EPSデジタルシェアの将来を考えた時にも非常に重要なものになりました」と、BS1部の統括マネージャーであるT.Sは話す。しかし、プロジェクトの規模が大きくなってくると、特にアジャイルで進行する場合、非常に多くの要望が出てくる。中には、厳しい意見も出てくるが、それはグループが同じ会社であるがゆえのこと。「グループ間で開発を行う際、アジャイルはたいへん有効な手法だと感じました。グループ間同士だからこそ、相手の立場や課題を深く理解し、いかに要望に合ったものをつくるかに注力することができますから」と、T.Sは笑顔を見せた。しかしながら、アジャイルの経験はまだまだ浅い。これからいかに成長させていくかが、今後のEPSデジタルシェアの将来を担うこととなる。「ゆくゆくは、この取り組みをグループ外にも広げていきたいと考えています。ですが、まだまだ発展途上ですので、もっと品質を高めていかなければなりません。今後も積極的にチャレンジできる場を提供していくことで、組織と一緒に自分自身も成長していきたいと思いますね。そして、当社へ入社してくる方には、次々と新たな取り組みに挑戦してほしいです。そういう土壌を、今後私たちがさらに広げていきますから。T.Nが言っていた、DevOps(デブオプス)なども実現させていきたいですね」と、T.Sは最後に語った。夢はどこまでも続いていく。

Epilogue

アジャイルは、日本にはまだまだ浸透していないが、世界のスタンダードになりつつある開発手法だ。それに積極的に挑戦できるのは、EPSグループというしっかりとした土台を持ちつつも、ベンチャー気質を兼ね備えるEPSデジタルシェアだからこそ、と言っても過言ではない。顧客とフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションを重ね、自分からどんどんタスクを握り、主体的に動いていく。そのエンジニアとしての新しいやりがいに積極的な社員がほとんどだ。そして、個人個人が成長していくほど、会社としても成長していく。EPSデジタルシェアの強みを更新したこのアジャイルは、今後、大きな広がりを見せていくだろう。

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