インフラストラクチャーソリューション

グループ会社向け統合ファイルサーバ構築プロジェクト・インタビュー

電気、ガス、水道といったインフラが止まれば、私たちの生活はままならない。それらと同じように、パソコンやサーバ、ネットワークやセキュリティなど、ITインフラと呼ばれるものは、企業が事業活動を行うためになくてはならないものになった。
そのITインフラの一つであるファイルサーバは、さまざまなファイルを管理するためのものだが、顧客であるグループ会社では各社にサーバが点在し、管理が複雑化していた上、その容量にも限界が近づいていたという。
使いやすさ、安全性、コスト面、そのすべてに対して、的確なソリューションを提供する。

プロジェクトメンバー

K.N 写真

K.N

ICTソリューションセンター IS1部

T.O 写真

T.O

ICTソリューションセンター IS1部

T.M 写真

T.M

ICTソリューションセンター IS1部
統括マネージャー

所属部門、役職は取材当時の表記です。

K.N 写真

本当に必要なことは、会話の中から見えてくる

グループ各社のファイルサーバを一つにまとめる。言葉にすれば簡単だが、その道のりは容易ではない。「まず、各社で管理していたサーバがあったのですが、もともと文化も使い方も違いますから、その調整が大変でしたね」と話すのは、このプロジェクトのプロジェクトリーダーであるK.N。また、医薬・医療業界に特化しているという点での難しさもあったという。「グループ会社で扱っているデータは、非常に機密性の高いものです。ですから、ファイルサーバを統合する際、セキュリティリスクが高くなる方法を使うことはできません。また、操作ログの保存や容量監視の機能をつけたいというご要望もあり、ファイルサーバ単体だけではまかなうことはできませんでした。それらを解決するために、ソフトウェアを組み込んだりするのですが、本当にこのスペックで大丈夫なのか、きちんと動作するのか、そういった不安は常にありましたね」と当時を振り返った。そこで、何よりも大切にしていたのが、顧客とのコミュニケーションだったと話す。「お客様先のIT担当者の方だけでなく、実際に利用される方と会話させていただく機会も非常に多かったです。これは、グループ企業間同士だからこそできること。一般的には、エンドユーザーの方とお話をする機会というのは、なかなかないと思います。そういったコミュニケーションが取れたおかげで、よりよいものを構築することができましたし、自分自身も多くのことを学べたと思います」とK.Nは語ってくれた。直接会話することで、顧客が本当に困っていることをキャッチしていく。それをスタンダードにすることによって、新しい未来は拓けていく。

T.O 写真

信頼関係を構築しながら、自分自身も成長できる

新卒入社、文系の出身であるT.O。大学時代、路上生活者を支援するボンランティアを行っていたという。「活動を通して知ったのは路上生活者の方々は、健康面でも不安を抱えている方が多いということ。この体験から医療問題を意識するようになり、就職活動では医薬・医療に関する企業へ訪問していました。その中で出会ったのがEPSデジタルシェアの前身、EPテクノ。ITを活用し、医薬・医療業界に貢献できるという点に魅力を感じ入社を決めました」と、入社動機を話した。「もちろん、文系の出身だからこその不安はありました。しかし、研修も充実していましたし、社内外を含め、“会話”を中心として仕事を進めていく方法が、私には合っていたと思います」。そう話すT.Oは、このプロジェクトにおいて、運用のフェーズを担当している。「統合ファイルサーバの構築が終了した後も、システムをよくしていくためにアフターフォローが求められますし、使用される中で『こんな機能を追加したい』といった話も出てきます。そういった要望に対して最適なものを提供するためには、お客様との会話が何よりも大切です。そうした中で、コミュニケーションを取りながら信頼関係を構築し、最適なソリューションを提供できた時は嬉しいですね」と、この仕事のやりがいを語ってくれた。そして続けて、「ゆくゆくは、新機能の追加やまったく新しいサービスの開発を、自分が主体となって、生み出していきたいですね」と、理想とする将来像を話してくれた。たとえ未経験だったとしても、顧客と会話を重ね、経験を積むことで成長できる環境であれば、その目標は、近いうちに実現するだろう。

T.M 写真

最先端の技術で未来を変えていく

「このプロジェクトが立ち上がった当初、率直に難易度が高いプロジェクトだと感じました。K.Nも話していましたが、文化も使い方も違うファイルサーバを統合するには、どういった仕様にしていくのが一番いいのか。なかなか、いい案が出ずに苦労しました」と、プロジェクト全体の統括を担当したT.Mは、話した。「使いやすさや安全性はもちろんですが、ビジネスの側面で考えると、コスト面も重要視しなければなりません。1ヶ月以上は、プロジェクトメンバーで頭を悩ませました」と、続けた。長く運用を続けていくITインフラは、コストメリットも重要な視点になる。顧客満足を向上しつつそこをどう実現していくのかが、一番の悩みどころになったという。「特に医薬・医療業界では、治験などで取得したデータを20年程度は保管しておかなければなりません。とは言え、頻繁にアクセスが必要となる類のデータではないんですね。そういったデータを保管する領域は費用を安く、普段の業務で使うことが多いデータを保管する領域は費用を少し高く、といった価格差を設定して提供できる仕組みを構築しました。そうすることで、コストメリットを実現していこうと考えました」と、話すT.M。このソリューションは、業界特有のデータを扱うグループ会社だからこそ、たどり着けたもの。しかしながら、別業界でも十分に使えるものだ。「今後は、我々が医薬・医療業界のお客様にソリューションを提供することで得たものを、他業界へと広げていきたいと考えています。また、5Gの時代もやってきますし、新しい技術をいかにキャッチして、それをどうお客様のために使うことができるのかを考えることに力を入れていきたいと思います」と、T.Mは笑顔で語った。時代が進んでいく中、その最先端を常に走ることで、医療が未来に向かうための土台を構築していく。

Epilogue

ITインフラは、「正常に動いて当たり前」という緊張感がつきまとう。特にこのプロジェクトで構築されたファイルサーバを利用する対象者は数千人規模。万が一のことが起こった場合、それだけの人数の仕事に影響が出るのだ。そして、グループ会社の従業員が行う仕事の先には、数多くの患者の存在がある。そう考えるとグループ会社のITインフラを支えることは、高度な社会貢献につながっていると言えるだろう。ITの技術で会社を支え、医療を支え、患者を支えていく。このなくてはならないITサービスは、今後、AIやIoTなどの革新的な技術によって、さらなる飛躍を遂げていく。

メンバー3人の写真
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